猫にとって、テーブルの上は未知の世界。
目を離すと、テーブルの上を探検します。
しかし人間に取っては大変困る話です。
放っておけば、人間の食事にも手を出しかねず、
多くの飼い主が悩む事となります。
根気よく、繰り返し叱るのが最善ですが、
それが通じない猫もいます。
我が家の猫たちは、どうも叱られている実感がない様子で、
通常では言う事を聞かないタイプのようです。
ああ、また俺が嫌われ役だなぁ。
そう思いつつ、体罰ではない方法でしつける事とします。
体力のある愛ちゃんは、
ソファから軽いジャンプでテーブルに乗ってしまいます。
私は意を決して、愛ちゃんを叱ります。
愛ちゃんを掴んでテーブルに乗せ、
妻のドライヤーを持って威嚇します。
口を外に向け、体に当たらぬよう気をつけながら、
ドライヤーのスイッチを入れると、
愛ちゃんはびっくりしてパニクります。
次にスイッチを切り、ドライヤーを生き物のように動かした後、
愛ちゃんの目を見て諭すように叱ります。
効果は覿面です。
人間社会での善悪が判らない子猫には、体で覚えさせる方法を取る事になります。
よく、頭を叩いたりする体罰でしつける人を見かけますが、
しかし体罰は百害あって利は僅かと思います。
体罰は「痛さ」で善悪を覚えさせる事ですが、
体罰は特に子猫の体には害もありますし、
暴力は人間への不信を招きます。
私自身、猫に体罰は嫌いですから、
代わりに「怖さ」を知って貰うようにしています。
「やったら怖い思いをする」
小さなうちにそれを覚えれば、
大人になってきつく叱られる事はありません。
もちろん怖がらせるだけでなく、愛情を持って諭さないと、
単なるイジメと受け取ってしまう猫もいますから、
強い気持ちと愛情でしつける事としています。
もちろん、フォローも十分に行います。
後日談ですが、
活発で良く食べる愛ちゃんは、一見して乱暴物のように見えたものの、
自我の発達も早い子のようです。
傷つきやすく、この後シュンとしてしまいましたが、
私の叱り声にはしっかりと反応してくれるようになりました。
頭の良い子ですので、叱り声だけで、
やって良い事と悪い事を学習できるようになったのです。
嫌われる事は覚悟してのしつけでしたが、
愛ちゃんは私を怖い人と思いつつも、なついてくれています。
いえ、しつけの善し悪しというよりも、愛ちゃんの理解力が
私のしつけ以上に優れていたという事と思っています。